2020年5月29日 歩行訓練時における新型コロナウイルス感染拡大防止のための留意事項 日本歩行訓練士会      今回の新型コロナウイルス感染拡大防止への対応で、視覚障害当事者の皆さんも同行援護時だけでなく、単独での歩行においても大きな制限が出ております。我々歩行訓練士はこのような状況にこそ、当事者の思いに寄り添い役割を果たす必要があります。  今後「withコロナ」の状況でも、当事者の方々が安心して歩行できるよう、 我々歩行訓練士も新たな知識、技術、情報を駆使して、支援にあたる必要があります。  下記、留意事項に十分注意し、まずは訓練士、当事者双方の安全を確保していただくとともに会員の皆様にはメーリングリスト等を通じて、新たな知識、技術、情報等を出し合い、互いに切磋琢磨していけたらと思いますので、よろしくお願いします。 1.歩行訓練前の留意事項 (1)訓練士の健康状態の把握   ・訓練前に検温する。記録を取ることも検討する。   ・発熱や体調不良がある場合は、出勤、訓練を中止し、延期する。 ・相談・受診の目安(下記)にあるような症状がある場合は、出勤、訓練を中止し、帰国者・接触者相談センターに相談する。所属機関等にも連絡する。 (2)利用者の健康状態の把握   ・訓練予約時に訓練士、利用者のどちらかが発熱、体調不良の場合は中止、延期の旨了解をとっておく。   ・訓練前に可能なら検温していただく。   ・訓練開始前に電話等で体調を確認し、発熱や体調不良の場合は訓練を中止する。 ・相談・受診の目安(下記)にあるような症状がある場合は、訓練を中止し、必要に応じて相談先を紹介する等の対応を行う。 (3)訓練内容等の相談 ・訓練開始前に電話等で訓練内容について十分な確認をしておき訓練時に会話をする場面を極力少なくしておく。 (4)訓練士、利用者の両者がマスクを必ずつけることを伝える。 (5)訓練士、利用者の両者が訓練前後に手洗い・手指の消毒をすることを伝える。 (6)白杖などの用具を貸し出す場合は、消毒を行う。 (7)状況により訓練士、利用者のどちらか、あるいは両者とも片手または両手に手袋を使用することを検討する。 (8)状況により訓練士、利用者のどちらか、あるいは両者ともフェースシ−ルドまたは眼鏡の使用を検討する。 (9)歩行ルートに選択肢がある場合は、感染リスクの少ないルートがないか検討しておく。必要な下見、調査を済ませておく。 (10)安全のために他に必要な対応をとる場合があることも伝える。 2.歩行訓練時の留意事項 (1)利用者の健康状態等の把握を通常時より丁寧に行う。基礎疾患など重症    化のリスクのある利用者は特に注意する。 (2)会話時は対面ではなく、横並びか後ろに位置して行う。(飛沫に配慮) (3)対面で大声を出さない。 (4)手引き時には可能であれば、アームカバーやハンカチを使用する。    アームカバーやハンカチや腕など、接触した部分はウイルスが付着している可能性を考慮し消毒を心がける。 (5)手引きは安全性を考慮し、感染対策を講じたうえで通常の手引きを原則とする。 (6) 階段やエスカレーターの手すり、エレベーターのボタンなど不特定多数の人が触れる場所では、特にウイルスの付着に留意し消毒を心がける。 (7) 消毒や洗っていない手で顔に触れないようにする。 (8) 公共交通機関の利用は状況により控える。     やむを得ず利用する場合は、混雑していない時間帯、車両、場所を選択する。 (9) 車内では、会話を控える。  (10)休憩等飲食を伴う機会は極力控える。 やむを得ない場合、混雑している店を避ける。対面せず横並びか間隔をあけて座る。飲食中の会話は極力控える。 (11)状況により訓練士、利用者のどちらか、あるいは両者とも片手または両手に手袋を使用する。 (12)状況により訓練士、利用者のどちらか、あるいは両者ともフェースシ−ルドあるいは眼鏡を使用する。  (13)訓練途中でも携帯用消毒等で必要な消毒を行う。 (14)最終的なフィードバックは訓練後に電話等で実施することも検討する。 3.歩行訓練後の留意事項  (1)手洗い・手指の消毒を両者とも必ず行う。  (2)貸し出した用具などを消毒する。  (3)利用者の健康状態を通常より細かく確認する。変化等があれば、臨機応変に対応する。 (4)時間短縮のため訓練中に省略した内容等があれば、電話・メール等で     連絡する。 4.盲学校等の歩行指導   盲学校等の歩行指導における留意事項は上記と同様であるが、指導に当たっては文部科学省及び各設置者(教育委員会等)のマニュアルやガイドライン等に沿うとともに、保護者に同意を得るなど慎重に行うことが大切である。 相談・受診の目安   厚生労働省 令和2年5月11日事務連絡      https://www.mhlw.go.jp/content/000629072.pdf  新型コロナウイルスへの感染が疑われる方は、最寄りの保健所などに設置される「帰国者・接触者相談センター」 にお問い合わせください。特に、以下のいずれかに該当する場合には、すぐにご相談ください。(これらに該当しない場合の相談も可能です。)  息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の強い症状のいずれかがある場合  高齢者、基礎疾患(糖尿病、心不全、呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など))がある方、透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている方で、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある場合  上記以外の方で発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が続く場合 (症状が4日以上続く場合は必ずご相談ください。症状には個人差がありますので、強い症状と思う場合にはすぐに相談してください。解熱剤などを飲み続けなければならない方も同様です。) 帰国者・接触者相談センター(厚生労働省 令和2年4月16日時点) https://www.mhlw.go.jp/stf/.../bunya/.../covid19-kikokusyasessyokusya.html