歩行訓練をはじめとする視覚障害リハビリテーション訓練に従事しようとする場合には、養成機関における指導者養成のカリキュラムを履修することが望ましいとされます。
国内に設置されている養成機関としては、大阪市にある社会福祉法人日本ライトハウス養成部と埼玉県所沢市にある国立障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科が挙げられます。いずれも主に大卒者を対象としており、履修期間は2年間になりますが、日本ライトハウス養成部においては、視覚障害リハビリテーション関連施設の職員を対象に分割履修等の特別措置も設けています。
カリキュラムは、主に福祉・心理・教育・医学について学ぶ基礎科目、ロービジョンや重複障害など視覚障害リハビリテーションに関する専門的な内容について学ぶ専門科目、実技や演習を通じて視覚障害リハビリテーション訓練で提供される技術や指導法について学ぶ実践科目で構成されており、臨床実習や卒業研究まで含めた履修時間の総計は3,000時間に及びます。
実技や演習においては、受講生自らアイマスクやシミュレーションゴーグルを着用して、視機能が低下することによって生じる様々な不安や困難な状況を体験するとともに、後に指導することになる技術や指導法について検証しながら、状況に応じた適切な支援を行うことができるようになるための経験を積み重ねていきます。
なお、養成カリキュラムの受講に際しては、基礎学力や指導者としての資質を確認するための審査があります。また、受講期間中は日々多くの課題や自習に取り組む必要があるため、自ら継続的に粘り強く学ぼうとする姿勢や意欲も求められます。